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立間編集長の思索部屋~FOOTBALL NOTE分室~

サッカー日本代表:国際親善試合/ウルグアイ戦[2018.10.16]

 ロシアW杯に出場したメンバーも招集され、怪我人を除いて現時点で考えられるベストメンバーを揃えた日本代表。
「若手との融合」がテーマになった10月は、パナマ代表、ウルグアイ代表と親善試合を行う予定になっている。

 パナマ代表に3対0で勝利し、勢いに乗る日本代表はロシアW杯でベスト8に入ったウルグアイ代表をホームで迎え撃つことになった。

 

ウルグアイ戦レビュー

日本代表 4-3 ウルグアイ代表

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:埼玉スタジアム2002
観客数  :57,239人
天候   :曇り
気温   :21.5℃
湿度   :57%

 

◆日本代表のフォーメーション
※選手名敬称略
()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

       大迫勇也

 中島翔哉  南野拓実  堂安律
(原口元気) 

     柴崎岳  遠藤航
    (青山敏弘)

長友佑都 吉田麻也 三浦弦太 酒井宏樹

       東口順昭

【得点者】
前半10分;南野拓実
前半36分;大迫勇也
後半14分;堂安律
後半21分;南野拓実

===================

【編集長の考察】

 日本代表チームに対して「どうした!?」と思いながら試合を観戦していたのはあまり記憶がありません。もちろん良い意味でのことです。

 格上のウルグアイに対して、日本(ホーム)で開催された親善試合とはいえ、4得点も決めて勝ち切ったこと。ゴールシーン全て流れの中から得点が生まれたこと。については素直に称賛したい。

「ロシアW杯出場組と若手との融合」が上手くいったといえるのではないでしょうか。

 

<攻撃面について>
 日本代表のシステムを見てみると、攻撃で良い時間帯は4-2-3-1をベースに両サイドバックがかなり高い位置を取っていた。

 これだけでかなり厚みのある攻撃が出来ていた。
 ピッチをワイドに使っていたので、ボールの取りどころがウルグアイにとっても難しかったように思う。

 2列目で起用された中島選手、南野選手、堂安選手が流動的にどんどん動きながらプレーしているので、ウルグアイのディフェンス陣も対応しきれていなかった。

 理由の1つとして考えられるのは、中島選手のミドルシュートだろう。
 ペナルティエリア外からでも積極的に狙ってくるので、ディフェンスはボールにプレッシャーをかけないといけない。
 その結果、キーパーとディフェンスラインの間に大きなスペースが生まれていた。

 ミドルシュートが枠内に飛ぶことで、キーパーの弾いたこぼれ球を蹴り込むパターンから2つのゴールが決まったところを見ると、勝敗のカギはミドルシュートにあったと見ている。

 そこに至るまでの過程として、長友選手、酒井選手の両サイドバックのオーバーラップは欠かせない。
 瞬間的に2対1と数的優位を作り、ウルグアイのディフェンス陣にプレーの選択肢を増やすことで、対応が1歩遅れていた。
 結果としてドリブルが効果的になり、日本らしい素早い攻撃が機能していたように見ている。


<守備面について>
 守備陣形は4-4-2でブロックを作ってコンパクトにしていたことで、ウルグアイも中盤でのスペースを使いずらかったように思う。

 だが、フィジカルの部分では日本の中盤は負けていた。
 中盤でボールの奪いになると、柴崎選手のフィジカルではカバーニ選手には歯が立たなかった。日本人選手がヨーロッパの主要リーグでボランチとして活躍できないのは、やはりフィジカルの差だ。

 この試合、ボランチで光ったプレーを見せていたのは、遠藤選手。
 2列目とディフェンスラインの間でリンクマンのようなプレーに見えた。

 攻撃の時はパスの供給地として縦パスを入れたり、守備の時はスペースを埋めながらウルグアイの攻撃を遅らせたり、日本型のボランチは潰し屋タイプというより、つなぎ役タイプの方が合うのかもしれない。そんな可能性を見た。

 柴崎選手は所属チームでの出場機会が増えないと、厳しいと考える。特に前半は試合勘が欠如しているのか?と見られるプレーもあった。

 失点シーンを振り返ると、前半28分に同点に追いつかれたシーンは、セットプレーから高さを活かした攻撃にやられたことだった。
 ロシアW杯でベルギーと対戦したときフェライニ選手に決められたシーンが少し頭をよぎる。

 2点目は完全なミス。3点目を与えてしまったシーンは、2点をリードしていたこと、選手交代もあり集中力が少し切れてしまったように感じたが、この2つの失点はすぐに修正できるだろう。

 

<チーム全体として>
 前半からかなり飛ばしていたので、最後まで体力が持つのか心配な面もあったが的中してしまう。

 後半28分、4対2で日本が2点リードの場面で、ウルグアイが1点を返し4対3と1点差に詰め寄られてしまう。

「ん?なんかいやな展開だな…。」
と頭をよぎったのは、ロシアW杯でベルギーに2点差をひっくり返された場面。

『日本代表にとって格上との対戦で2点リードはセーフティーリードではない』と身に染みてわかっていたはずだ。

「日本は90分のうち75分は良いフットボールをする」と言われていた頃もあった。

 残り15分で逆転されたら、75分良い試合をしていたとしても負けは負け。

 格上のチームと対戦する時、試合時間残り15分の戦い方は今後の課題になるだろう。

 だが、この試合に関していえば、4対3と1点リードしたまま逃げ切って勝利した。

 親善試合に関わらず、日本が使った交代枠は2つだけ。あくまで公式戦をイメージして采配を行ったと見て良いだろう。

 前線からあれだけチーム全体でハードワークをして、90分保てるプレーが出来たのは大きな収穫だ。
 2022年のカタールW杯でベスト16の壁を越えるため、世界の強豪国と渡り合うため、日本代表の武器がカタチとして見えたように思っている。

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サッカー日本代表:国際親善試合/パナマ戦[2018.10.12]

 ロシアW杯に出場したメンバーも招集され、怪我人を除いて現時点で考えられるベストメンバーを揃えた日本代表。
 「若手との融合」がテーマになった10月は、パナマ代表、ウルグアイ代表と親善試合を行う予定になっている。

 

パナマ戦レビュー】

日本代表 3-0 パナマ代表

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:デンカビッグスワンスタジアム
観客数  :38,322人
天候   :曇り
気温   :22.6℃
湿度   :43%

 

【日本代表のフォーメーション】
※選手名敬称略
()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

       大迫勇也
      (川又堅碁

 原口元気  南野拓実  伊東純也
       (北川航也)  (堂安律)

    青山敏弘  三竿健斗
    (柴崎岳)

佐々木翔 槙野智章 冨安健洋 室屋成

       権田修一

【得点者】
前半42分;南野拓実
後半20分;伊東純也
後半40分;オウンゴール

===================

 

【編集長の考察】

 2試合連続で3対0とスコア上は完勝と、ここまで新生日本代表は好スタートを切っているように思えるが、この試合は守備面での小さいミスが目についてしまった。

 失点にはつながらなかったが、ボランチセンターバックの間のスペースから危ない場面を作られてしまった。
 日本の失点シーンというのは、このスペースを自由に使われた時に多いイメージを持っている。

 ボランチセンターバックまたはサイドバックのどの選手がボールにアプローチするのか非常に判断に迷うところなのだが、連携面は選手が変われば少しのズレは出てくるので、代表チームとしての明確な基準が必要なのかもしれない。

 そして1番気になったのは日本の左サイド。
 原口選手と佐々木選手の連携が悪く、日本の左サイドが攻撃面で機能していなかった。特にビルドアップの部分で良くない印象を持った。

 槙野選手が左サイドバックに回った方が良かったかもしれないが、この試合のスタメンを見ると単純に中央の高さが足りなくなる。
 左サイドバックに関しては、長友選手が現状では1番手であり不動のレギュラーとして代えの効かない選手だが、バックアップの候補選手が見当たらないのは、今回「若手との融合」をテーマに活動している日本代表にとってはマイナスでしかない。

 実際にこの試合、日本の攻撃をリードしていたのは右サイドからだった。
 伊東選手と室屋選手が連携面で機能していたのもあるが、日本の攻撃が良い時間帯はほとんど右サイドから始まっていた。

 室屋選手が右サイドバックとして頭角を出しつつあるので、酒井宏樹選手を左に回すプランも検討できるかもしれないが、サイドバックの人材難が表面化してしまったように思う。

 他にも選手同士でプレーが重なったり、なんでもないところでの安易なパス交換でボールを奪われカウンターを食らったり、失点していてもおかしくない場面は多かった。

 攻撃面ではサイドからスピードに乗った攻撃が出来ていたし、大迫選手がワントップとしてポストプレーで時間を作ってくれたこともあり、ボランチからのタテパスも狙いやすかったのではないだろうか。

 また前線の4人は、メンバー構成が変わっても連動してプレーできていたし、スピードのあるドリブラータイプが増えてきたので、個の力だけで局面を打開できる武器が増えたように思う。

 パスを回していくだけでは、相手がリズムになれてしまったら崩すことはできない。
 ドリブルという選択肢が増えることで、日本のお家芸でもあるショートパスを繋ぐサッカーも効果を発揮するだろう。

 そして真価が問われるのが、16日に行われるウルグアイ戦だ。
 ロシアW杯でコロンビアに勝ったとはいえ、日本は南米チームを苦手としているのには変わりない。
 選手達はウルグアイを相手にどういうサッカーを見せてくれるか。森保監督の采配にも注目したい。

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サッカー日本代表:森保監督体制で迎える2度目の国際親善試合

 9月11日に行われたコスタリカ戦に3対0で勝利し、新体制で良いスタートを切った日本代表。
 10月12日にパナマ代表、10月16日にウルグアイ代表と対戦することになっているが、この2試合に挑む招集メンバーが発表された。

 

◆招集メンバー
※10月12日にパナマ代表、10月16日にウルグアイ代表と対戦する日本代表メンバーのリスト。
選手名敬称略。

[GK]
東口順昭ガンバ大阪
権田修一サガン鳥栖
シュミット・ダニエルベガルタ仙台

[DF]
長友佑都ガラタサライ/トルコ)
槙野智章浦和レッズ
吉田麻也サウサンプトン/イングランド
佐々木翔サンフレッチェ広島
酒井宏樹マルセイユ/フランス)
室屋成 (FC東京)
三浦弦太ガンバ大阪
冨安健洋(シントトロイデン/ベルギー)

[MF]
青山敏弘サンフレッチェ広島
原口元気ハノーファー/ドイツ)
柴崎岳 (ヘタフェ/スペイン)
遠藤航 (シントトロイデン/ベルギー)
伊東純也(柏レイソル
中島翔哉ポルティモネンセ/ポルトガル
南野拓実ザルツブルク/オーストリア
三竿健斗鹿島アントラーズ
堂安律 (フローニンゲン/オランダ)

[FW]
小林悠 (川崎フロンターレ
大迫勇也ブレーメン/ドイツ)
浅野拓磨ハノーファー/ドイツ)


【怪我で辞退】
小林悠 (川崎フロンターレ
浅野拓磨ハノーファー/ドイツ)

【追加召集】
川又堅碁ジュビロ磐田
北川航也(清水エスパルス

 

◆編集長の視点
 9月の代表戦の時と比べると、ロシアW杯に出場したメンバーが復帰したところに注目したい。長友選手、吉田選手、酒井選手、原口選手、柴崎選手、大迫選手の6選手が招集された。

 ディフェンスラインは、まだロシア組がファーストチョイスだろう。
 昌司選手は怪我のため仕方ないが、吉田選手が不動のセンターバックであることは疑いようがない。

 サウサンプトンでの出場機会に恵まれていないのは不安だが、直近の公式戦2試合(リーグ杯とリーグ戦)はフル出場とコンディションは上がってきているだろう。
 吉田選手の相棒が槙野選手なのか若手成長株の冨安が割って入ってきてくれることを楽しみにしている。

 ただ、右サイドバックの酒井選手、左サイドバックの長友選手の代わりはまだ見当たらない。コスタリカ戦でアピールに成功した室屋選手がどこまで絡んでいけるか…。

 コスタリカ戦で1番アピールしたのは、中島選手、南野選手、堂安選手の中盤だろう。
 今回は原口選手が招集されているが、原口選手といえどポジションが保証されているとは言い難い。2列目のポジションはどの世代も競争が激しいと再認識させられる。

 ワントップは小林選手と浅野選手が怪我のため辞退したため、大迫選手がファーストチョイスだろう。
 あとはヘタフェで出場機会を失っている柴崎選手がどこまでプレーできるか…に注目している。

 パナマ戦は、新しい選手とロシアW杯組との融合。
 ウルグアイ戦は日本代表の現在地を理解する。ということがテーマになりそうだ。

 個人的には、ウルグアイが日本戦でベストメンバーを組んでくれたら、面白い試合になるだろうな。と思っている。
 大迫選手を起点に中島選手、堂安選手の両サイドからの攻撃はウルグアイにとっても脅威になるだろう。

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欧州サッカー2018-2019シーズン:海外組の日本人選手が増える一方で感じる懸念事項(3)

 3部作なので長くなりましたが、今回のコラムで1番伝えたかった懸念事項は 

「レギュラーシーズンの各リーグ戦を上位で終えるクラブに日本人選手が少ない」です。

 そして今私が1番悩まされているのは、日本人選手が所属する海外クラブがリーグ戦で1部残留争いに巻き込まれていることが多い。

 2018-19シーズンが始まったばかりだが、現時点でのリーグ戦順位を振り返る。

 

◇海外リーグに所属する主な日本人選手
イングランド】(第7節終了時)
岡崎慎司 / レスター   : 8位
吉田麻也 / サウサンプトン:16位
武藤嘉紀 / ニューカッスル:18位

【スペイン】(第7節終了時)
乾貴士 / べティス: 5位
柴崎岳 / ヘタフェ:10位

【ドイツ】(第6節終了時)
長谷部誠  / フランクフルト :11位
香川真司  / ドルトムント  : 1位
大迫勇也  / ブレーメン   : 5位
原口元気  / ハノーファー  :18位
浅野拓磨  / ハノーファー  :18位
宇佐美貴史 / デュッセルドルフ:15位
久保裕也  / ニュルンベルク :10位

【フランス】(第8節終了時)
酒井宏樹 / マルセイユ  :6位
川島永嗣 / ストラスブルク:8位

【トルコ】(第7節終了時)
長友佑都 / ガラタサライ:1位

【オランダ】(第7節終了時)
小林祐希 / ヘーレンフェーン:11位
・堂安律  / フローニンゲン :17位

【ベルギー】(第9節終了時)
森岡亮太 / アンデルレヒト  : 3位
遠藤航  / シント・トロイデン: 7位
・鎌田大地 / シント・トロイデン: 7位
関根貴大 / シント・トロイデン: 7位
・冨安健洋 / シント・トロイデン: 7位
・小池裕太 / シント・トロイデン: 7位
豊川雄太 / オイペン     :10位
植田直通 / Sブルージュ   :11位

ポルトガル】(第6節終了時)
中島翔哉 / ポルティモネンセ:17位

オーストリア】(第9節終了時)
南野拓実 / ザルツブルク:1位

【ロシア】(第9節終了時)
・西村拓真 / CSKAモスクワ:4位

【ドイツ2部】(第6節終了時)
酒井高徳  / ハンブルガーSV:4位
伊藤達哉  / ハンブルガーSV:4位
宮市亮   / ザンクト・パウリ:6位
井手口陽介 / Gフェルト   :3位

 

◇海外組の現在地

 これが海外組の現実。
 各選手の試合状況は「海外で活躍する日本人選手情報」で確認してもらいたい。

 だが、ここ最近の傾向よりチーム成績としては全体的に良い方だ。
 ドイツではドルトムントが首位に立ち、古豪ブレーメンが5位と良い位置につけている。
 ドルトムントでいえば香川選手に出場機会が特に注目されがちですが、上位争いが出来るチームになっているなら、それだけチーム内での競争は激しいということ。

 ブレーメンの大迫選手はここまでは良い移籍だったと言えるでしょう。
 前線での起用が続いているのもそうですが、第2節でゴールという結果を出したのが大きかった。

 べティスの乾選手も出場機会もあり、チームもリーグ5位と大健闘ではないでしょうか。スペイン3強(レアルマドリードバルセロナアトレティコマドリード)と良い試合が出来れば、面白い存在になるかもしれません。
 昨シーズンまで所属したエイバルでスペインリーグを経験し、ロシアW杯での大活躍が乾選手に勢いをつけたようだ。

 

 一方で、現時点で早くも残留争いになりそうなのが、ニューカッスルの武藤選手、サウサンプトンの吉田選手、ハノーファーの原口選手、浅野選手、フローニンゲンの堂安選手、ポルティモネンセの中島選手。
 試合を通じて共通していえることは、チームとして守備面の状態が良くない。

 日本人選手の出場時間も気になるところではある。
 堂安選手、中島選手は主力として出場時間は確保していますが、武藤選手、浅野選手は途中出場が多い。
 浅野選手は開幕前は期待値の方が大きかったけれど、開幕後はやや調子を落としてしまい出番を失っている。原口選手は怪我もあって出遅れてしまい、チーム状態が悪いこともあり厳しい立ち位置に代わってしまった。

 1番気になるのは吉田選手がまだリーグ戦でプレー出来ていないこと。ベンチには入っているが出番が与えられない。今季はまだリーグ杯でしか出場機会が得られていないのはどうなんだろう。

 

 上位チームと残留争いの可能性のあるチームと選手を比較して出してみたが、総合的に見てみると、リーグ中位またはリーグ下位にいるチームに所属している日本人選手が多い。

 海外でプレーするなら、リーグ戦では優勝争い、CLやELで結果を出して日本代表を牽引する選手になるくらいにならないと、ワールドカップでベスト16の壁を破るのは不可能だと考えている。これまで日本代表を牽引してきた選手達がそうだったように…。

 今回の3部作コラムで名前を挙げた選手は、日本代表の中心選手として期待されている選手であり、2019年に開催されるアジアカップにも選出される可能性は高いだろう。

 しかし、所属チームが低迷し、出場機会がなくなってしまえば話は変わってくる。
 海外でプレーすることが日本代表にもつながることは確かですが、試合に出ていない選手を招集するとは考えにくい。


◇あとがき

 今週末のリーグ戦を終えると代表ウィークに突入する。

 ロシアW杯に主力として出場した、長友選手、吉田選手、酒井宏樹選手、柴崎選手、原口選手、大迫選手が復帰した。2019年1月に開催されるアジアカップに向けてのチーム作りがスタートするようだ。

 海外組として前回招集されていたが、今回招集が見送られたのは、植田直通選手と伊藤達哉選手。

 確かにこの1か月クラブでも絶対的な存在感を見せていたわけではない。
 植田選手は試合でのパフォーマンスがあまり良くなかったように見えたし、伊藤選手は代表から戻ってコンディションを崩してしまった影響もあるだろう。

 それだけ代表選考争いも激しくなっているということだ。

「海外組だから」というだけで呼ばれる時代ではなくなってきた。

 

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欧州サッカー2018-2019シーズン:海外組の日本人選手が増える一方で感じる懸念事項(2)

 先週から2018-2019シーズン、UEFAチャンピオンズリーグUEFAヨーロッパリーグが開幕した。ヨーロッパ最高峰の大会といわれているが、参加している日本人選手が少ないこともあり寂しく感じている。

 海外組が増えてきたとはいえ、毎年ヨーロッパ各国のリーグ戦で上位争いに絡んでくるクラブチームに日本人選手が所属していないケースが増えてきている。
 結果として、UEFA主催のヨーロッパ最高峰の大会(CL,EL)に参加している日本人選手も少なくなっているのが現状だ。

 ヨーロッパ最高峰の大会で日本人選手同士が凌ぎを削るような試合は、2011年4月に行われたUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝、シャルケインテルまでさかのぼる。

 ファーストレグはシャルケ内田篤人選手、インテル長友佑都選手が揃って先発フル出場し、CL史上初の日本人対決が実現した一戦となった。
 セカンドレグも内田選手は先発フル出場、長友選手は途中出場し、日本人対決が実現。試合は2戦合計7対3でシャルケが勝利し、準決勝に進んだ。

 日本人選手のCL最高成績は「ベスト4」
 2010-2011シーズンに当時シャルケに所属していた内田選手が記録したものだ。
 移籍して最初のシーズンにも関わらず、不動の右サイドバックとしてプレーしていたこともあり、現在でも色褪せない記録となっている。

 

【CL:日本人選手の主な成績】

 翌2011-2012シーズンでは、当時CSKAモスクワに所属していた本田圭佑選手が、決勝トーナメントに進出し1回戦でレアル・マドリードと対戦。
 本田選手はファーストレグは途中出場するも、セカンドレグは負傷のため欠場。2戦合計2対5で敗れ敗退となった。

 またインテルに所属していた長友選手も、決勝トーナメントに進出し1回戦でマルセイユと対戦。ファーストレグは途中出場となるも、セカンドレグはフル出場。2戦合計2対2となるもアウェーゴールの差で敗退となった。

 最近の好成績では、2016-2017シーズンに香川真司選手が所属するドルトムント、岡崎選手が所属するレスターが準々決勝まで進出したことだろう。

 ドルトムントモナコと対戦し、2戦合計3対6で敗れ準々決勝敗退となったものの、香川選手はファーストレグ、セカンドレグ共にフル出場を果たし、ファーストレグでは1ゴール1アシストの活躍を見せた。

 ただ、ファーストレグがドルトムントのホームで行われる試合前に「ドルトムント専用バス爆弾攻撃事件」があった。もしあんなことが起こっていなければ結果はどうなっていただろうか…。

 一方、レスターはアトレティコ・マドリードと対戦し、2戦合計1対2で敗れ準々決勝敗退。岡崎選手は、ファーストレグ、セカンドレグ共に先発出場するも、前半のみで交代となり不完全燃焼となった。

 2015-2016シーズンにイングランド・プレミアリーグで奇跡の優勝を果たしたメンバーの大半がチームに残留していたとはいえ、CLベスト8の壁は厚かった。


【EL:日本人選手の主な成績】

 ヨーロッパリーグの前身であるUEFAカップの頃だが、2001-2002シーズンに当時フェイエノールトに所属していた小野伸二選手が、決勝でドルトムント対戦し3対2で勝利しタイトルを獲得している。
 ちなみに小野選手はこの試合に先発出場し、3対2と1点リードの後半40分までプレーした。

 現体制のELでいえば、昨シーズン(2017-2018)にマルセイユ酒井宏樹選手が決勝に進出。決勝戦ではアトレティコ・マドリードに0対3と敗れたが、準優勝となっている。酒井選手は怪我の影響もあり、決勝戦には間に合わせたが出番は与えられなかった。

 なお準決勝の組み合わせが、マルセイユザルツブルクとなり、南野拓実選手との日本人対決の期待もあったが酒井選手は怪我のため欠場。南野選手もセカンドレグのわずかな時間しか出場機会は与えられなかった。

 2015-2016シーズンでは、準々決勝でドルトムントリバプールが対戦。
 香川選手はドルトムントのホームで行われたファーストレグで出番は与えられなかったが、セカンドレグは、先発出場し2対3と1点リードの後半32分に交代。

 その後リバプールが逆転に成功し4対3で勝利。2戦合計4対5となりドルトムントが準々決勝で敗退となった。

 この試合は選手以上に、元ドルトムントの指揮官でもあったクロップ監督に注目が集まった試合だった。リバプールの指揮官としてクロップ監督がシグナルイドゥナパルクに凱旋。
 この時のドルトムントのメンバーはほとんどの選手が自身が監督として率いていた頃の教え子たちであったのも感慨深かった。ドルトムントファンの多い日本人から見ても思い出深い試合ではないだろうか。

 

【2018-2019シーズンCL,EL:参戦する日本人選手】
[CL:2018-2019]
 UEFAチャンピオンズリーグに出場できるチームに所属している日本人選手はわすか3選手。
香川真司 / ドルトムント(ドイツ)
長友佑都 / ガラタサライ(トルコ)
◎西村拓真 / CSKAモスクワ(ロシア)

 

[EL:2018-2019]
UEFAヨーロッパリーグに出場できるチームに所属している日本人選手はわすか5選手。
長谷部誠 / フランクフルト(ドイツ)
乾貴士  / べティス   (スペイン)
酒井宏樹 / マルセイユ  (フランス)
森岡亮太 / アンデルレヒト(ベルギー)
南野拓実 / ザルツブルク (オーストリア

 

 今シーズンは合計8名の日本人選手がCL,ELに参加することになっているが、後世まで語り継ぎたいと思える試合はどれだけ生まれるだろうか。

 そのためには試合に出場して、まずはグループリーグを突破することが前提となる。CL,ELでレギュラーとして出場している選手は、その後日本代表で不動の地位を築いたといっても過言ではない。

 海外リーグに移籍するだけの時代は終わった。
 UEFA主催大会であるCL,ELで結果を出すことが、海外に挑戦する本当の意味になるのではないだろうか。

 ビッククラブへの移籍でチャンスを掴み取るものよいが、リーグ戦を上位で終えて翌シーズンに参加するものも楽しみが増える。
 だが、レギュラーシーズンの各リーグ戦を上位で終えるクラブに日本人選手が少ないことに、お気付きだろうか…。

 2018:海外組が増える一方で感じる懸念事項(3)に続く。

 

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欧州サッカー2018-2019シーズン:海外組の日本人選手が増える一方で感じる懸念事項(1)

 海外で活躍する日本人選手が増えている。
 サッカーに関しては特に2018年になってから一気に増えたように感じている。

 ロシアW杯でベスト16という結果を出しただけではない。

 どちらかいえばW杯での成績は、2018年夏の移籍市場にはあまり関係が無かったように思う。

 日本代表のスターティングイレブンを見た時、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦では、昌司選手を除く10人の選手がヨーロッパのクラブチームでプレーしていた。というのは事実だ。

 では、増えた要因は何なのか?というと若手選手が積極的に海外リーグに挑戦しているのが1番だろう。Jリーグでの個人タイトルを獲得する前にどんどん海を渡っているのが現状だ。

 若いうちからどんどんチャレンジするのは良いことで、選手である以上目指す場所が日本代表なら海外移籍して結果を出せば、日本代表に招集される確率はJリーグよりは高いというのも納得せざるを得ない。

 しかし、私が今思っている懸念事項は「移籍先となる海外クラブチーム」についてだ。
 4大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア)の1部リーグに所属する日本人選手が年々減ってきている状況に危機感を抱いている。

 

◇4大リーグに所属する日本人選手(※選手名敬称略)
イングランド
岡崎慎司 / レスター
吉田麻也 / サウサンプトン
武藤嘉紀 / ニューカッスル

【スペイン】
乾貴士 / べティス
柴崎岳 / ヘタフェ

【ドイツ】
長谷部誠  / フランクフルト
香川真司  / ドルトムント
大迫勇也  / ブレーメン
原口元気  / ハノーファー
浅野拓磨  / ハノーファー
宇佐美貴史 / デュッセルドルフ
久保裕也  / ニュルンベルク

【イタリア】
なし

※2018年9月20日現在。12選手。

【フランス】
酒井宏樹 / マルセイユ
川島永嗣 / ストラスブルク

 

 仮に4大リーグに匹敵するフランスリーグを追加しても14選手。
 一時期はマンチェスター・ユナイテッドアーセナルインテル、ACミラン、ローマ…とビッククラブに所属している選手もいたが、現在では極端に少なくなってしまったのは悲しいものだ。


◇日本人選手が増えたベルギーリーグ
[2018-2019シーズン、ベルギーリーグ所属の日本人選手]※選手名敬称略
森岡亮太 / アンデルレヒト
遠藤航  / シント・トロイデン
・鎌田大地 / シント・トロイデン
関根貴大 / シント・トロイデン
・冨安健洋 / シント・トロイデン
・小池裕太 / シント・トロイデン
豊川雄太 / オイペン
植田直通 / セルクル・ブルージュ

 

 今夏の移籍市場では、ベルギーのクラブチームに多くの日本人選手が移籍していった。ベルギーリーグが4大リーグへのステップアップの場ということなのだろうか?

 確かにベルギーリーグから4大リーグにステップアップとなった実績はある。
 2017-18シーズン、オイペンに所属していたセネガル代表のムサ・ワゲ選手が、ロシアW杯での活躍が目に留まり、スペイン1部の強豪バルセロナに移籍が決まったので、ステップアップとしてはこれ以上申し分のない良い移籍だ。

 ちなみにだがムサ・ワゲ選手はロシアW杯での日本戦で1対1と同点の後半26分に一時勝ち越しとなるゴールを決められた選手である。

 

 日本人選手だと久保裕也選手が該当する。
 スイス1部リーグのヤングボーイズから海外生活がスタートし、ベルギー1部のヘントに移籍。

 今夏の移籍市場でドイツ1部リーグのニュルンベルクへレンタル移籍で加入した。
 ニュルンベルクでここまで出番は与えられているので良い移籍だったと現状ではいえるだろう。

 

 ステップアップを考えるなら10代後半の選手や、20代前半の選手が積極的に挑戦するなら良い。ただし、出場機会が得られずくすぶってしまったら日本代表への道も閉ざされてしまうだろう。

 安易に海外移籍が良いとはいえない時代となったようにも感じている。
 そして「日本人選手が所属している海外クラブチームが、近年そこまで良い成績を残していない」という不安材料も存在する。
 結果として、UEFA主催のヨーロッパ最高峰の大会(CL,EL)に参加している日本人選手も少なくなっているの現状をおわかりいただけるだろうか。

 

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サッカー日本代表チームスタッフについて(2018年9月現在)

 森保監督の初陣となった9月11日のコスタリカ戦、3対0と完勝し最高のスタートを切った日本代表。
 国際親善試合なので、招集メンバーなど今後の可能性を探りながら観ていたが、選手もそうだがコーチ陣の面々も気になった。あまり報じられていないようなので少し調べてみた。

 

【ロシアW杯コーチングスタッフ】
西野朗 (監督)
森保一 (コーチ)
手倉森誠(コーチ)
浜野征哉(GKコーチ)
下田崇 (GKコーチ)
早川直樹(コンディショニングコーチ)
小粥智浩(コンディショニングコーチ)

 

[ロシアW杯後、契約満了により退任]
西野朗 (監督)
手倉森誠(コーチ)
早川直樹(コンディショニングコーチ)
浜野征哉(GKコーチ)

 

カタールW杯を目指す日本代表コーチングスタッフ】
[2018年9月現在]
森保一 (監督)
横内昭展(コーチ)
和田一郎(コーチ)
松本良一(フィジカルコーチ)
下田崇 (GKコーチ)
※U21(東京五輪世代)も兼任となっている。

 

[各コーチの経歴]
 ロシアW杯から残留したのは森保新監督(当時コーチ)と下田GKコーチの2人だけ。新たに加わった3人のコーチについて簡単にだが調べてみた。

 

横内昭展(コーチ)
選手として、1992年~1995年までサンフレッチェ広島でプレー。
1996年からコーチに転身し、サンフレッチェ広島のスカウトやスクールコーチ、ジュニア、ユースのコーチを務め、
2003年~2017年にサンフレッチェ広島のトップチームでコーチを務めていた。

 

和田一郎(コーチ)
2000年から日本代表テクニカルスタッフとして参加。
2010年から2014年まで日本代表のアシスタントコーチを務めていた。

 

松本良一(フィジカルコーチ)
1996年からサンフレッチェ広島のスカウト&スクールコーチを務める。
2002年にジェフ千葉でフィジカルコーチとなり、アビスパ福岡サンフレッチェ広島と務めてきている。


【編集後記】

 コーチングスタッフは、森保監督らしい人選になっているようだ。

 オールジャパンカタールW杯を目指すのは方針としては賛成だ。
 ただし、決勝トーナメント1回戦の壁を突破するためには海外からコーチを連れてくるべきだと考える。

 例えば、GKコーチとチーム戦術分析担当をヨーロッパから1名ずつ招聘する案だ。

 日本人選手で海外から評価が低いままのポジションがGKだ。
 Jリーグでも外国人GKが増えてきたように、次世代を担う若手GKが育っていないのなら、現戦力をヨーロッパレベルに追いつくためのトレーニングが必要だと考えている。

 次に戦術分析担当。ロシアW杯では和田一郎氏が務めた。報道によれば専門家4人の態勢となっていたそうだが、その中にヨーロッパからも1人専門家を入れてもらいたいと願う。

 理由は単純で、現代サッカーのトレンドは間違いなくヨーロッパだから。
 2006年から4大会連続でヨーロッパの国(2006:イタリア、2010:スペイン、2014:ドイツ、2018:フランス)がW杯を制覇しているのだから、分析面でもヨーロッパから学ぶ点は多い。

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