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立間編集長の思索部屋~FOOTBALL NOTE分室~

コパアメリカ:大迫勇也欠場濃厚!?

 2019年6月、ブラジルで開催されるコパアメリカ南米選手権)に日本代表が招待国として出場することになっている。

 グループリーグで、チリ、ウルグアイエクアドルとの対戦が決定!
 あとはどういったメンバー構成になるのか気になるが、実は大きな問題が立ちはだかっている。

 国際親善試合などの代表Aマッチデーでは、クラブ側に選手を拘束する権利はなく、選手としても代表に選ばれればスムーズに招集に応じることができる。

 しかし、大陸選手権(アジアカップコパアメリカ、ユーロ、アフリカネーションズカップなど)への招集には、FIFAの規定が大きく影響する。

 

FIFAの規定】
 コパアメリカで選手の招集するためには所属クラブの許可が必要になる。ということ。
 FIFAの規定では、クラブ側は大陸選手権で所属選手が招集された場合、大陸別の大会には1年に1度派遣する義務がある。とされている。

 コパアメリカでの選手招集に関してはこの規定が該当する。
 2019年に既にアジアカップがあったので、そこに招集された選手をコパアメリカで招集する場合は、所属クラブ側の許可が必要になってくる。

 協会とクラブ間での交渉が重要になるが、ここにきて大迫勇也選手の所属するドイツ1部のブレーメンが、コパアメリカへの大迫選手派遣を拒否した。と報道があった。
 さらに大迫選手も納得した上での決定であることも伝えられた。

 

ブレーメン日本サッカー協会が対立!?
 アジアカップでエース級の活躍をした大迫選手だが、大会を終えてブレーメン戻った時に日本サッカー協会(JFA)から報告になかった負傷が確認された。
 ブンデスリーガでベンチ入りメンバーからも外れていることから、大迫選手の状態が悪いことは推測できる。
 激怒したブレーメン側が日本サッカー協会に抗議の意味で拒否したという流れだ。

 6月は、ヨーロッパのクラブチームにとっては大事なオフシーズンになる。
 7月中旬頃からのキャンプインに向けて、シーズンの疲れを取る大事な時期だ。

 それだけ大迫選手がドイツの古豪ブレーメンで必要とされている選手であるのは嬉しいが、日本代表サポーターにとってみれば、現代表のワントップは大迫選手以外考えられない状況でもある。

 3月に日本で行われる国際親善試合2試合はメンバーから外れても仕方ないと割り切れるが、コパアメリカにも不参加となれば戦力ダウンは間違いない。

 日本サッカー協会からの正式発表まで吉報を待つしかないが、仮に大迫選手がコパアメリカ招集不可となった場合、代わりにワントップの候補になりそうな選手を3名リストアップした。

 

◆大迫選手の代役候補をリストアップ


木下康介選手(24歳)
190cmの大型ストライカー。
2018年冬の移籍市場でスウェーデン2部のハルムスタッズからベルギー1部のシントトロイデンに移籍。
2017年当時1部だったハルムスタッズに移籍し、23試合に出場するもわずか1ゴールだったが、2018年は2部で29試合に出場し13ゴールと2桁ゴールを記録。ベルギー移籍後も幸先よくゴールを決めるなど、結果も出している。


豊川雄太選手(24歳)
リオ五輪には本大会メンバーから外れてしまったが、リオ五輪アジア最終予選では
途中出場からでも決定的な仕事をするイメージが今でも離れない。

鹿島アントラーズからベルギー1部のオイペンに移籍。
2017-18シーズン最終戦、途中出場から3ゴール1アシストの大活躍でチームを1部残留に導く。今シーズンは主にワントップを務め、2月21日現在7ゴールとフォワードとして結果を残している。


浅野拓磨選手(24歳)
ロシアW杯本大会メンバーからも外れてしまい、森保新体制になり招集はされているものの、国際親善試合、アジアカップを怪我で辞退となるなど不運も重なっている日本のスピードスター。

所属するハノーファーで結果を出し、コンディションを整えた状態で代表チームに合流できれば、スピードを活かしたプレースタイルは、日本代表にとって大きな武器になる。

 

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VAR時代における審判の判定基準

 テクノロジーの進化と共に、サッカーの審判補助システムも増えてきた。

 現在その代表格といえるのは「VAR」だ
 VARとはビデオ・アシスタント・レフリーのこと。

 主審を助ける副審のような位置づけだが、VARの使用を決めるかどうかは主審の裁量による。

※VARが発動できるケースは4つのみ。
・得点の有無
・PKの有無
・レッドカード相当の行為なのか確認
・間違った選手への処分ではなかったのか確認

 

 他にもGLT(ゴール・ライン・テクノロジー)がある。
 今後はオフサイドを判定するシステムが導入されるかもしれない。

 VARやGLTは、サッカーの審判補助システムは便利である一方、特にVARは、時として審判のジャッジを誘導し、試合の勝敗を大きく変えてしまう問題も起きている。

 

チャンピオンズリーグでも賛否両論

 2019年2月13日に行われたラウンド16 アヤックス(オランダ)対レアル・マドリード(スペイン)の一戦でVARによるゴール取り消しがあった。

 前半37分、アヤックスのタグリアフィコ選手がヘディングでゴールを決めたと思われたが、
アヤックスのタディッチ選手がオフサイドポジションにいたこと。さらにタディッチ選手がレアル・マドリードのGKクルトワ選手のプレーを妨げる位置取りをしていたこと。という理由でゴールを取り消した」

 とUEFAを通じて声明を発表した。

 

 この試合を主審を務めたのはスロベニア出身のダミル・スコミナ氏。
 日本サポーターにとってゆかりのある審判でもある。
 2018ロシアW杯では、グループリーグで日本対コロンビアの主審を務めた人物だ。

 これまでユーロ2012、2016。2016-17シーズンのヨーロッパリーグ決勝(アヤックスマンチェスター・ユナイテッド)、2017-18シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝2nd(ローマ対リバプール)といったビックマッチも担当している欧州ではトップクラスの国際審判の1人だろう。

 

 ダミル・スコミナ氏は、アヤックスにとっては良いイメージのない審判かもしれない。

 2016-17シーズンのヨーロッパリーグ決勝でマンチェスター・ユナイテッドと対戦した時は、0対2で敗れ準優勝に終わっている。

 といっても試合内容は、アヤックスがユナイテッドに対して完全な力負けだったことから、審判のジャッジが試合結果を左右したとは言い難い。だが、今回の1件で少なからず遺恨が生まれたことは間違いないなさそうだ。

 

 筆者も問題のシーンを映像で見直したが、すごく微妙な判定だった。

 個人的な見解としては、オフサイドというより、キーパーチャージに近いかな?という印象です。

 ヨーロッパ最高峰の試合でも、VARによる審判の判定に物議を醸す事態になっている。


中東の笛
 サッカー日本代表戦においてよく聞かれる言葉です。
 特にW杯アジア予選で日本が中東の地で試合を行う時は、中東チームに有利な判定が下されることもあり、耳にする機会が増えます。

 ですが「中東の笛」といっても、一概に中東全ての国が優遇されるわけではありません。

 これについては中東情勢を理解していると結構納得できるものもあります。

 中東=イスラム教にはふたつの宗派があるためです。
 スンナ派シーア派。世界史の授業なんかで聞いたことがあるかもしれません。

 簡単にいうとシーア派はイラン。
 その他の中東国家はほぼスンナ派

 

※ここからは推測でしかないことを前提に進めます。

 

アジアカップ2019、日本対サウジアラビア、日本対カタールの試合で主審を務めたのはウズベキスタン出身のラフシャン・イルマトフ氏。
 アジア最高のレフェリーと称されていますが、アジアカップや中東国の試合においてはそのレフェリングが明確に異なる場面はいくつもありました。

 ウズベキスタンスンナ派が多い国です。
 スンナ派の大国はサウジアラビアUAE
 そこでサウジアラビア戦の不可解な笛は少し理解ができるのではないだろうか。

 しかし、実はカタールスンナ派
 通常ならばサウジアラビア戦と同様になるのですが、カタールイスラム教の中でも独自路線を歩んでいます。

 決定的な出来事として、2017年6月5日、サウジアラビアを中心としたペルシャ湾岸諸国、エジプトなどアフリカ大陸にあるイスラム国家の一部は、カタールに対して国交断絶を表明した。

 その理由として、カタールがイランとの関係を継続していることが挙げられている。
 ちなみにサウジアラビアはイランと国交断絶。UAEは大使召還。

 これらを踏まえると同じ中東国家、スンナ派であっても、サウジアラビア戦、カタール戦での、レフェリーのスタンスの違いに理解ができるのではないだろうか。

 もし決勝の対戦カードが日本対UAEとなっていて、主審がイルマトフ氏だったら、日本はピッチ内外ともに完全アウェイだった可能性もあったと推測しています。』

 

 決勝のカタール戦、1対2と日本が1点ビハインドの後半38分、残り時間もまだあり、日本が同点に追いつけそうな流れの時間帯に、VARでペナルティエリア内でのハンドを取られ、カタールにPKを与えるという判定が下された。
 カタールがPKを成功し勝敗が決定的にはなってしまったが、試合中ほとんどの場面で不可解な笛が吹かれることはなかった。

 今後は中東の笛ではなく「中東のVAR」にも気をつける必要がありますね。

 

VAR時代における審判の判定基準 | FOOTBALL NOTE

サッカー日本代表:アジアカップ2019/決勝トーナメント総括

 日本代表は、アジアカップを準優勝で終えた。

 決勝まで進んだ時の日本代表の戦績が勝率100%ということで、筆者としても心にどこか余裕を持ってしまっていたのかもしれない。

 対戦相手がカタールに決まり、元日本代表監督でもあるザッケローニ氏が率いる開催国UAEとの対戦が叶わず、どこかガッカリした気持ちが先走り、カタールのことをあまり意識していなかった。

 

 それには理由がある。
 準決勝のイラン戦で、日本代表の今大会ベストマッチを観れたからだ。

 

 これまでの不安定さがウソのように前半からチームとして機能していて、後半の得点シーンでは、先制、中押し、ダメ押しの3ゴールはゲームプランとしては理想的だった。

 FIFAランク上では現在、アジア最強といっても過言ではないイランを相手に完勝した日本代表なら「決勝もいける」と多くのサポーターが思ったに違いない。

 だが、今大会を冷静に振り返ると、日本はギリギリで勝ち上がってきただけで圧勝といえる試合は全く無かった。

「よく決勝まで勝ち残った」という表現の方が正しい。

アジアカップ2019、日本代表の『準優勝』は必然だったのだ。

 

↓続きはこちらから。

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サッカー日本代表:アジアカップ2019【決勝】カタール戦総評

 決勝までたどり着いた日本代表。決勝の手はカタールに決まった。

 日本はアジアカップで決勝まで進んだ時の勝率はここまで100%だったので、イラン戦のような戦い方が出来れば大丈夫だと思っていたが、勝負の世界は簡単なものではなかった。

 

◆マッチレビュー
<決勝トーナメント/決勝>
日本代表 1-3 カタール代表

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:ザイード スポーツシティ スタジアム
観客数  :36,776人
天候   :晴れ
気温   :24℃
湿度   :43%

 

◆日本代表のフォーメーション
※選手名敬称略
()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

        大迫勇也

  原口元気  南野拓実  堂安律
 (武藤嘉紀)   (乾貴士)

     塩谷司    柴崎岳
    (伊東純也)

長友佑都 吉田麻也 冨安健洋 酒井宏樹

        権田修一

===================

【得点者】
後半24分;南野拓実

 

【編集長の考察】

 前半の2失点が最後まで重くのしかかった。
 前半の入りから、イラン戦とは違って試合の入りに失敗したように感じた。

 先制点を奪われた場面だが、あれは相手が上手かったし、ボールが飛んだコースも仕方がない。

 その後、すぐぐらいの時間帯にも危ない場面があったが吉田選手のディフェンスでなんとか持ちこたえた。
 立て続けに失点していたら、前半の15分で試合が決まってしまったかもしれない。

 

 ただ、2失点目は中盤でマークがついていなかった日本のミス。
 あれだけフリーで撃たせてはダメ。

 ボランチがつくのか、2列目の選手が下がってくるのか…

 上手くコミュニケーション出来ていなかったかもしれない。

 1点ビハインドということもあり、攻撃と守備のバランスが崩れ、全体のラインもコンパクトに保てず、間延びした時間帯に失点してしまったのは悔やまれる。

 アジア、中東らしくないカタールの攻撃。
 ヨーロッパの国と試合しているような印象を受けた。

 

 後半は完全に日本のペースだった。
 なぜ前半15分の入りをこのように出来なかったのか?
 イランを倒して勝ち上がったことで、どこか慢心があったかもしれない。

 南野選手のゴールで1点差に詰め寄って押せ押せのムードだったが、カタールコーナーキックから、ペナルティエリア内で吉田選手がVAR判定でハンドを取られPKを与えてしまい、ダメ押しの3点目を奪われてしまい勝負あった。

アジアカップ2019準優勝』として記録には残るが、今の日本代表を考えるとアジアでは優勝以外負けと同じだ。

 

カタールについて
 11番のアクラム・アフィフ選手、19番のアルモンズ・アリ選手は日本にとって脅威だった。カウンターから2人だけで、日本の守備陣をきりきり舞いにしていた。

 この試合は5-3-2が基本フォーメーションだったが、対日本用の戦術だった可能性はある。中東のチームといえど組織力が非常に高いチーム。カタールの育成プロジェクト「アスパイア・アカデミー」の賜物だろう。

 監督のフェリック・サンチェス氏はスペイン出身。
 カタールの育成プロジェクト「アスパイア・アカデミー」での指導を経て、代表監督まで上り詰めた。
 自国開催である2022年カタールW杯に向けて、国家を上げたチーム作りが出来ている。


◇日本代表:今後の課題
大迫勇也選手のバックアップメンバー
・2列目の選手が機能しないときの対処法
・両サイドバックのバックアップメンバー
ボランチが全体的に人材不足
・パワープレー要因
・一芸に秀でた選手
・スタメンと控え組の層の差
・戦術面での引き出しの数
・対戦相手による戦術を使い分ける柔軟性
・負けている時の交代カードの使い方

 

 パッと思いついたことから上げてみた。
 じっくり考えたらもっと出てきそうな気もするが、日本代表の課題については、今後「編集長コラム」にて隔週で掲載していきたい。

 

◇あとがき
 決勝戦の審判は、決勝トーナメント1回戦サウジアラビア戦で主審を務めたラフシャン・イルマトフ氏だった。

 あの時の悪い印象があったのでジャッジについては不安があったが、決勝戦は全体を通して不満はなかった。『中東の笛』はなかった。サウジアラビアとの一戦はなんだったんだろう…。

 フル代表としての活動は、3月に行われる親善試合だ。

・3月22日(金)コロンビア代表
・3月26日(火)ボリビア代表

 と対戦することになっている。

 6月にはコパアメリカへの参加も決まっている。
 現在の日本代表が南米チームと対戦してどんなサッカーができるのか?

 2019年もサッカー日本代表の試合を追いかけていきます。

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サッカー日本代表:アジアカップ2019【準決勝】イラン戦総評

 いよいよ準決勝。相手はイラン。

 準々決勝で韓国とオーストラリアが敗退したため、事実上の決勝戦といわれているが、個人的にもそう思う。

 

【マッチレビュー】
<決勝トーナメント/準決勝>
日本代表 3-0 イラン代表

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:ハッザーア ビンザイード スタジアム
観客数  :23,262人
天候   :晴れ
気温   :24℃
湿度   :33%

 

◆日本代表のフォーメーション
※選手名敬称略
()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

        大迫勇也

  原口元気  南野拓実  堂安律
             (伊東純也)

     遠藤航    柴崎岳
    (塩谷司)

長友佑都 吉田麻也 冨安健洋 酒井宏樹
                (室屋成)

        権田修一

===================

【得点者】
後半11分;大迫勇也
後半22分;大迫勇也(PK)
後半45+2;原口元気

 

【編集長の考察】

 前半は、ここまでの試合がウソだったかのような立ち上がり。
 攻撃も守備も安定していた。

 どうしてこれが最初から出来ないのか不思議に思ったが、FIFAランクでは格上のイランに対して、ギアを1段階上げるスイッチが入った。と思えるようなパフォーマンスだった。

 初めからチームとしてベストコンディションを持ってくる照準を準決勝に合わせたのだろうか。

 イラン戦のスタメン10人が海外組ということで、勝負所では1段上げる術を普段から身についているのだろうか。
 W杯でよく思うのは、欧州、南米の強豪チームはベスト8から、これまでとは別人のようなチームになる。
 日本代表もいよいよその域に達してきているのだろうか。

 スコアレスで前半を折り返すも、今大会の日本の試合の中でベストの前半だった。

 だが、後半の立ち上がりは一転して押し込まれた。
 後半の入りはイランペース。先制点を与えていたらこの結果にはならなかったかもしれない。

 それでも守備で大崩れしなくなったのは、チームとして成長している部分だと感じている。
 国際親善試合からアジアカップのグループリーグまで、バタバタしている印象が否めなかったが、決勝トーナメントに上がってからは、3試合連続のクリーンシート達成!

 まだまだ自分たちのミスから危ない場面を迎えることはあるが、完璧に崩されたシーンが減ってきていることは、チームとして成熟しているのだろう。


◇イランについて

 典型的なパワープレー型のチームでロングボールからこぼれ球を奪ってからのカウンターが速い印象。

 イングランド、ロシアでプレーする選手に加え、ドイツ、スウェーデンから帰化してイラン代表に入っている選手もいる。

 全体的にチーム力が底上げされたのには、こういった部分が少なからず影響はあるだろう。

 また最近では少なくなったロングスローを多投するチーム。
 アジアでは平均身長もある方なので、空中戦には強いイメージ。

 名古屋グランパスレアル・マドリードポルトガル代表の監督を務めた、カルロス・ケイエス氏が監督に就任し、2011年からの長期政権を築きチームは円熟期に達している。
 最新のFIFAランクでは29位とアジアの中では間違いなく強豪国だ。


◇先制点が全てだった
 名実ともに大迫選手が日本のエースとなった場面だった。
 今大会ここまで無失点だったイランから均衡を破る先制点!!

 南野選手の粘りがあったからこそ生まれたゴールだが、確実に仕留めるのはエースたる所以だろう。

「笛が鳴るまでプレーを続ける」

 主審にアピールするよりプレーに専念する。
 というサッカーの基本が見れた先制点のシーンだった。

 日本が先制したことで試合の流れが日本に傾いた。

 そこからイランが点を奪いに来たことでスペースが生まれ、日本のカウンターが徐々に効果を発揮することになる。

 2点目になったPKの場面だが、準々決勝の時と同様にVARが発動される。
 一度主審がPKを宣告していたから判定が覆されなくてホッとした。

 ドイツではリーグ戦からVARが導入されていることもあり、PKのキッカーを務めた大迫選手の集中力は切れることなく研ぎ澄まされていた。

 今シーズン、大迫選手は所属先のブレーメンでゴールを決めた時、2回ほどVAR対象になったことが経験として活きたのかもしれない。

 3点目を決めた原口選手のゴールは、まさにトドメの一撃。
 ショートカウンターから試合を決定づけ、勝利を盤石なものにした。


◇あとがき
【スタッツ一部紹介】
ボール保持率(日本/イラン): 53% / 47%
ファール数 (日本/イラン): 19回 / 18回
シュート本数(日本/イラン): 7本 / 11本
枠内シュート(日本/イラン): 4本 / 3本

 

 スタッツを見ても内容では互角であり、事実上の決勝戦にふさわしい内容だったが、最後は後味が悪かった。
 中東のイメージが良くないのはこういうところ。

 3対0で完勝するところまでは予想できなかったけど、初戦に向けて怪我で離脱選手もいる中で森保監督が描いていたファーストチョイスのスタメンは、この並びだったんだろうな。

 残すは決勝のみ。
 ここまで来たらタイトルを獲得してほしい。

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サッカー日本代表:アジアカップ2019【準々決勝】ベトナム戦総評

 準々決勝はベトナムと対戦。
 日本から見れば格下の相手になるが、サッカーには絶対がないので何が起こるかわからない。

 ヨルダンを破った勢いには注意が必要だが、なぜ試合前から「日本が負けるかもしれない」というネガティブキャンペーンに付き合わなければならないのか?

・前回大会で敗退した鬼門の準々決勝。
・日本は中2日、ベトナムは中3日。日程的には日本が厳しい。

 アジアのベスト8でW杯に出場したことない国に負けるようなことがあれば、W杯でベスト8に進出するのは夢のまた夢だ。

 我々の目指すところはどこか。もう1度問いただしたい。

 

【マッチレビュー】
<決勝トーナメント/準々決勝>
日本代表 1-0 ベトナム代表

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:アルマクトゥームスタジアム
観客数  :8,954人
天候   :晴れ
気温   :23℃
湿度   :43%

 

◆日本代表のフォーメーション
※選手名敬称略
()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

        北川航也
       (大迫勇也)

  原口元気  南野拓実  堂安律
  (乾貴士)  (塩谷司)

     遠藤航    柴崎岳

長友佑都 吉田麻也 冨安健洋 酒井宏樹

        権田修一

===================

【得点者】
後半12分;堂安律(PK)

 

【編集長の考察】

 前半、特に攻撃がひどかった印象。
 日本の攻撃には工夫がないのか?と観ていてイライラした。

 キラーパスをことごとく狙われてボールを奪われるパターンを繰り返す。
 相手が守備を固めてきた時に、手詰まりになるのは初戦のトルクメニスタン戦と何も変わっていない。

 前半は、初戦のトルクメニスタン戦と同じようなプレーを見させられている感じしかなかった。横パスでサイドに展開するも打開できるところがなく奪われてカウンター。

 時間が経過するにつれ、ドリブルから1枚はがして局面を打開する場面は増えてきたが、ベトナムの守備のよせが速く、捕まってしまうことが多かった。

 後半に入ってから、攻撃にリズムが出てきてパスがつながるようになった。
 そこからフィニッシュまで持ち込む展開も増え、日本の時間帯が続く。

 PKで先制したあと、確実に追加点を奪える時間帯はあった。
 しかし、そこで試合を決めきれないところが今のチームの弱さだろう。

 また守備では、イージーなミスで自分たちの首を絞めてしまった場面もあった。
 失点にはつながっていないので、大きく報じられることもないが、準決勝で致命傷につながる失点になることだけは避けたい。
 特にゴールキーパーへのバックパスは狙われるだろうな。

【スタッツ一部紹介】
・ボール保持率(日本/ベトナム):69% / 31%
・ファール数 (日本/ベトナム): 11回 / 6回
・シュート本数(日本/ベトナム): 11本 / 12本
・枠内シュート(日本/ベトナム): 6本 / 4本

 サウジアラビア戦と違い、ボールを持てる時間帯は多かった。
 いや、ベトナムからボールを持たされていた。といった方が良いだろう。

 ベトナムが守備のブロックをつくってカウンター主体の戦術だったので、最初から日本がボールを持つ時間帯が多いことは計算済みのはずだ。

 攻撃に関しては、試合を観ながらでも薄々気づいていたがベトナムの方が良かったのはスタッツからでもわかる。

 1対0という均衡したスコアの中で発生した大きな差は、足元の技術といったプレー精度、チームの組織力と経験の差にあったと見ている。

 日本が強者としてのサッカーがしっかり出来ていれば、もう少し楽な展開になっていたはずなのだが、大会を通じて筆者が持つ違和感の1つとして、前半は相手に合わせてサッカーをしているのではないか?ということ。

 例えるなら横綱相撲のようなサッカー』

 正面から相手を受け止めて、圧倒的な力の差を見せつけて勝利する。

 グループリーグから準々決勝まで全て1点差で勝ち上がってきている日本代表。
 圧倒的な力の差を見せつけているとは言い切れないが、横綱相撲に近いものに感じている。


◇主役は準々決勝から導入されたVAR
 VARとはビデオアシスタントレフリーのこと。

 主審を助ける副審のような位置づけだが、VARの使用を決めるかどうかは主審の裁量による。

 

※VARが発動できるケースは4つのみ。
・得点の有無
・PKの有無
・レッドカード相当の行為なのか確認
・間違った選手への処分ではなかったのか確認

 

 今大会は準々決勝からVARが導入されるレギュレーションになっているが、早速VARが大活躍した。

 前半24分、柴崎選手のコーナーキックから吉田選手が合わせて先制ゴールを決めたかのように思えたが、VARにてゴール取り消しの判定。
 スローで見ると吉田選手の手に当たってゴールに吸い込まれたようだ。

 後半10分、ペナルティエリア内で堂安選手が倒されるもノーホイッスル。
 しかし、VARによってPKが認められる。このPKを堂安選手が決めて日本が先制した。

 これはあくまで仮説だが、VARがなければ吉田選手のゴールが認められて堂安選手が倒されたプレーは流されていただろう。
 どっちにしろ日本が1対0で勝利することには変わりなかったように思う。

 結果論として、この試合の主役はVARになった。

 

ベトナムについて
 常に全力プレーという印象。
 スタジアムに訪れた多くのサポーターの後押しもあっただろう。

 3-6-1と守備重視のフォーメーションだったので、中盤でボールを奪ってからの攻守の切り替えが重要になるが、それを走力でカバーしていた。

 また守備の時間帯でもボールに対して体全体を投げ出して、100%の力でブロックに飛ぶ。

 本来ならスタミナを奪われ、後半になると運動量が落ちるものだがそれでも90分最後まで走ることを止めなかった。

 弱者の戦略といえばそれまでだが、「日本を相手にするなら120%のプレーをしないと勝てない」というベトナムの意思表示のように感じた。

 日本も見習うべきところもあった。
 それはカウンターのスピード。

 パスカットからの素早いカウンターはもっと精度が上がればベトナムの武器となり、アジアでも脅威になるだろう。

 

◇あとがき
 内容はともかく、ベトナムに勝利し準決勝進出を決めた日本。
 準決勝の対戦相手はイランに決まった。

 直接対決は2015年10月13日にテヘランで行われた国際親善試合以来となる。この時は1対1と引き分けに終わっている。

 最近のイラン代表の印象は、ロシアW杯でポルトガル、スペインと同組になるもヨーロッパの強豪国に対して、あと一歩というところまで追いつめたサッカーをする強敵。
 日本にとって間違いなく今大会の大一番となる。

 準決勝に向けて日本のプラスの材料は、大迫選手がプレー可能になったこと。
 準々決勝で出場停止だった武藤選手が復帰すること。
 イエローカードをもらっていた南野選手、堂安選手、塩谷選手、酒井選手、権田選手の累積がリセットされること。

 青山選手は怪我のため離脱となったが、現状でのベストメンバーで臨める準決勝で日本の真価を問いたい。

 準決勝は日本時間1月28日(月)23時キックオフで行われる。

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サッカー日本代表:アジアカップ2019【ラウンド16】サウジアラビア戦総評

 グループリーグを1位で通過した日本代表。
 決勝トーナメント1回戦ではサウジアラビアと対戦する。

 正直、このカードが1回戦から実現するとは考えていなかった。
 負けたら終わりの決勝トーナメントで求められるのは、内容よりも勝つことだけだ。

 

【マッチレビュー】
<決勝トーナメント1回戦>
日本代表 1-0 サウジアラビア代表

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:ザイード スポーツ シティ スタジアム
観客数  :6,832人
天候   :晴れ
気温   :19.5℃
湿度   :30%

 

◆日本代表のフォーメーション
※選手名敬称略
()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

        武藤嘉紀
       (北川航也)

  原口元気  南野拓実  堂安律
       (伊東純也) (塩谷司)

     遠藤航    柴崎岳

長友佑都 吉田麻也 冨安健洋 酒井宏樹

        権田修一

===================

【得点者】
前半20分;冨安健洋


【編集長の考察】
 序盤は完全にサウジアラビアのペースで、日本がボールを持つことができない苦しい時間帯が続いていた。

 そんな中、セットプレーのチャンスを確実に得点に繋げて、先制できたことは日本にとって良かった。
 コーナーキックから柴崎選手の正確なセンタリング、エリア内での駆け引きを制し、打点の高いヘディングで代表初ゴールを決めた冨安選手。
 先制点を取れてなかったら、勝敗はどうなっていたかわからない。

 この試合のボランチ(柴崎選手、遠藤選手)は良かった。
 サイドバックが上がって生まれたウラのスペースを、上手くカバーしていた。

 試合の立ち上がりを守備から入って、相手にボールは持たれても主導権を渡さなかったことは大きかった。
 欲を言えば、先制した後、2度は追加点を取れるチャンスはあった。

 1点差のまま試合が進んでいったので、守備陣は集中力を切らさずに良いプレーを見せていたが、攻撃陣がもう1点とって少しでも楽な展開にもっていければ、チームとしてさらに強くなるだろう。

 

◇主役が選手ではなく主審
 ただ、この試合のMVPを挙げるなら主審のラフシャン・イルマトフ氏だろう。
 ウズベキスタン出身の方で、AFC最優秀審判に選ばれたこともあり、これまで日本戦も担当したことはある。

 

[日本戦担当:アジアカップ2011/カタール大会]
・日本対サウジアラビア(グループリーグ第3戦)
・日本対オーストラリア(決勝)

 

 ちょっとした接触プレーでもファールを取って試合を止めすぎていた印象はあった。
 サウジアラビア側が少し倒れただけで、笛を吹くのはちょっと…という感じを持ったのは、特に日本が守備に追われている時間帯で起こっていたから。

 しかし、日本に対してファールがあった時はしっかりと取ってくれたので安心した。
中東の笛』という可能性も頭をよぎった。

 主審の判定に疑問を持っていたが、前半39分に武藤選手がイエローカードを出されたシーンは、完全に武藤選手のファールだった。
 スローで見るとボールではなく完全に相手の足に行っているので…。

 前の試合で1枚もらっている状況、大迫選手が怪我で出場が微妙な状況の中、ワントップのフォワードとして、あの位置でカード対象となるファールはちょっと考えられない。
 ウズベキスタン戦での同点ゴールがかすんでしまうくらい、残念なプレーだった。

 後半はより一層、日本のファール数を取られる回数が増えた。
 日本が攻撃に移る時に、接触があればすぐにファールを取ってサウジアラビアボールに代わる。

 これが繰り返される。
 日本の選手も終盤になるとアピールをするのを止めていたのは、賢い判断だ。

 後半途中から主審が試合の主役になっていた。
 前線で起点もカウンターへの移行も審判により封じられ、守備に追われる時間帯がほとんどだった。

 一部スタッツを記載しているが、ボール保持率の低さに注目が集まると思うが、あれだけファールで日本ボールが奪われると、この数字を見ても不思議ではない。

 

【スタッツ一部紹介】
・ボール保持率(日本/サウジアラビア):23.7% / 76.3%

・ファール数 (日本/サウジアラビア): 27回 / 13回

・シュート本数(日本/サウジアラビア): 5本 / 15本

・枠内シュート(日本/サウジアラビア): 2本 / 1本

 

 それでも日本が守りきることができたのは、サウジアラビアの決定力不足とゴール前での精度の差だった。

 負けたら終わりの決勝トーナメントで不利な判定にも関わらず、勝ち切ったこと。準々決勝進出を決めたこと。これが全てだ。

 

サウジアラビアについて
 ポゼッション型のサッカーを確立していて、前半の早い時間帯は完全に日本を圧倒していた。

 またサイドをワイドに使うことで、中央のスペースを空け、スピードのあるパファド選手に縦パスを入れる攻撃パターンが出来ていた。
 足元の技術が高い司令塔タイプの選手が現れたら、チーム力が一段とレベルが上がるだろう。

 筆者にとってサウジアラビアは、W杯に出場するたびに脆さを露呈するチームという印象を持っている。

・2002年の日韓大会ではドイツ相手に8失点完敗。
・2018年のロシア大会では開幕戦でロシア相手に5失点完敗。

 それでもアジアでは中東の古豪と位置付けられていて、一筋縄ではいかない相手だ。
 W杯アジア予選では対戦する可能性も残しているが、対戦することになればどんなチームになっているのだろうか。

 

◇あとがき
 振り返っても、不完全燃焼に近い試合だった。
 特に後半は「フットボール」とはいえない。

 アジアのレフリングのレベルがこの程度なら、2022年カタールW杯も不安でしかない。

 日本が勝ったから、サウジアラビア戦のことをここまで振り返ることができただけ。

 一旦リセットして、準々決勝で対戦するベトナム戦のことを考えようと思う。

 準々決勝は、日本時間1月24日(木)22時キックオフで行われる。

footballnote.jp