【マッチレビュー】
日本代表 0-1 コロンビア代表
<スタジアム/現地情報>
スタジアム:日産スタジアム
観客数 :63,302人
天候 :曇り
気温 :15.3℃
湿度 :20%
【日本代表のフォーメーション】
()内は交代出場した選手
フォーメーション:4-2-3-1
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【日本代表スタッツ】
ボール支配率 :43%
シュート数 :17本
枠内シュート : 3本
パス成功率 :78%(389本)
オフサイド : 2回
フリーキック :19本
コーナーキック: 8本
【編集長の考察】
◆日本のメッシ誕生
1人の選手でここまでチームが変わるのか?
と試合を観ながら感じた。
中島翔哉選手が起点となって、日本の攻撃が勢いを増すシーンが何度もあった。
ドリブルで仕掛けるたびにコロンビアのディフェンスを切り裂いていた。
まさしく『日本のメッシ』と称しても良いパフォーマンスだった。
南野選手、堂安選手はアジアカップと大きく変わったプレーはしていない。
それでも躍動感があるように感じたのは、中島選手のプレーとリンクしているからだろう。
A代表初招集の鈴木武蔵選手も良かった。
チームとしてのポストプレー、自身の特徴でもあるウラへの抜け出しからチャンスはあった。
FWだから敢えて苦言を呈すなら、中島選手からのセンタリングをヘディングで合わせたシーンは、フリーだったので決めきって欲しかった。最低限、枠には飛ばして欲しかったが。
全体として、前半はシュートを打つも枠に行ってないのでそこまでゴールのニオイはしなかった。途中までの崩しは良いのに、フィニッシュの精度を欠いてしまっていた。
◆求められる修正力
今回はコロンビアの勝利への執念に対して、チームとして戦略負けを露呈した。
後半になって、コロンビアが勝負へのこだわりを見せてきた。
前半抑えられなかった中島選手に対策を立ててきた。
結果として中島選手がピッチの中で消えてしまう時間帯が増え、日本が一方的に押し込まれる時間帯が増えた。
その時間帯でペナルティエリア内でハンドを取られPKを与えてしまう。
エースのファルカオ選手が決めて、コロンビアが先制した。
『ハンドにPK』とロシアW杯でのフラッシュバックが逆のカタチで出てきたのは言うまでもない。
日本は選手交代で、打開策をはかった。
香川選手、乾選手、小林選手を投入したことで、中島選手が再び前線でボールを受けれるようになり、攻撃に幅を持たせることができた。
個人的に印象に残っているのが、右サイドに入っていた乾選手が左サイドの中島選手にパスを出し、ドリブルで仕掛けるタイミングに合わせて逆サイドから中島選手を追い越す動きでサポートしていたこと。
このプレーで中島選手をマークしていたコロンビアのディフェンダーの選択肢が増えたことで中島選手のドリブルを抑えることが難しくなった。乾選手の数字に残らないファインプレーだ。
ベンチからの指示がなくても、ピッチ内で選手が自主的に効果的なプレーをする。
修正する必要をW杯を経験しているベテランが見せたのは、今後のチーム作りに大きな影響をもたらすだろう。
◆収穫と課題
収穫は、攻撃面でのオプションが増えたこと。
香川選手、乾選手の投入で停滞していた攻撃が活性化された。
また、昌子選手のロングボールの精度は今後の日本の武器になる。
いつもボランチ経由でタテパスが入っていたが、最終ラインから正確なロングボールを蹴れることで中盤を省略することができるので、相手からすればボールの取りどころを分散できるので、より攻撃に移りやすくなる。
2列目の構成、吉田選手の相棒となるセンターバックの競争は今後も熾烈を極めるだろう。
非常に嬉しい誤算だ。
課題として、フィニッシュの精度が挙げられる。
惜しいシュートが何本あっても無得点では勝てない。
コロンビア戦を見て『中島選手、南野選手、堂安選手』の盤石の2列目の限界を感じた。
徹底的に対策をされると自分たちで試合中に修正できていない印象を受けたから。
大迫選手がいなかったから…という言い訳も難しい内容だった。
なぜなら、この試合は中島選手を封じられたことで2列目が機能不全に陥ったから。
前半の躍動は中島選手に引っ張られたカタチであり、後半になって中島選手が抑え込まれると南野選手、堂安選手も徐々に見せ場を作れなくなった。
このチームは「中島翔哉選手」の出来でチームの勝敗が左右されるところまで来ているのかもしれない。
中島選手の代役を見つけることが課題の1つになった。
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