結論からいえば、退屈な試合だった。
良いメンバーは招集出来たのに、内容は2022カタールW杯アジア予選を勝ち上がれるか不安になるものだった。
この試合、守備のピンチは2,3回ほど。
カウンターから決定機を作られたり、マークのズレからピンチを招いたくらい。
守備を崩されたシーンを見た記憶がないので、3バックか4バックかについての意見は、今回は取り上げないことにする。
問題は攻撃についてだ。
3バックということで、4バックではサイドバックでプレーしている酒井選手、長友選手をウィングバックに置いていつもより高い位置でプレーさせることができた。
その分、攻撃に厚みが生まれるのだが、トリニダード・トバゴの最終ラインとボランチがしっかり守備のブロックを作ってきているので、日本の攻撃陣が機能していなかった。
引いた相手に対してアジアでも苦戦するが、全く進歩していない攻撃陣に不甲斐なさしか感じなかった。
大迫選手、中島選手が揃った状況で、ここまで攻撃が停滞するとなると、勢いのある若手と世代交代するなど大ナタを振るう必要もあるのではないだろうか。
日本はサイドの高い位置、中盤でボールは持てるけど、最後のところでトリニダード・トバゴ守備陣の壁に跳ね返されていた。
トリニダード・トバゴ5番ダニール・サイラス選手のように、上背があってフィジカルの強い相手に対して、普段ヨーロッパを主戦場にしている選手が揃っていても安易なハイボールでセンタリングを上げて空中戦を挑むのはどうかと思う。
サイドの深い位置までは攻め込めるのは、いつものこと。
その後が全く改善されていない。
もっとグランダーのセンタリングを入れるとか、パススピードを上げて、相手守備陣を混乱させるとか…そういったアクションが少なかったように思う。
ボールを持ったらとにかくドリブルで仕掛ける。というのも決して悪いことではない。
ただ、そのプレーの選択を守備網が敷かれた密集地帯で行うことは「ボールを奪ってからカウンター攻撃をしてください」といっているようなもの。
トリニダード・トバゴは前線に枚数を残していたので、カウンターを狙っていたのは明確だった。
そのため、中盤でのデュエルは激しかったし、日本中盤、特にボランチの選手がボールを持った時は、ボールの取りどころと設定していたのか、明らかに狙っていた。
前半から相手は引いて守備をしていたのに、ミドルシュートを選択したのが、中島選手と酒井宏樹選手だけでは物足りない。
柴崎選手、守田選手も中盤でボールを持った時、相手がプレスに来ていない時に、狙える時間帯もあったので、ミドルシュートで攻撃にアクセントを加える必要があった。
守備を固めている相手に対して、ボランチがボールを持つと必ずサイドに展開していたが、ある程度攻撃のプレーパターンが決まっているように思うので、相手の守備からしたら守りやすかったのかもしれない。
攻撃は完全に選手の「個」の力頼みになっている。
攻撃に連動性がない。とまでは言わないが、大迫選手に縦パスが入らないと2列目の選手が連動できないのは問題かな。
2列目を見ると、ドリブルから切り込んで勝負する選手ばかりなので、少し選手構成を変える必要が出てきたのではないだろうか。
・スルーパスからゴールをアシストする選手
・何度もウラのスペースに走り込む選手
・ペナルティエリア内で一瞬の閃きからゴールを導く選手
など、プレースタイルに個性を持った選手を起用して、攻撃のリズムに変化を与えてくれる選手が必要だと感じた。
日本代表:Road to カタール(18)国際親善試合/トリニダード・トバゴ戦マッチレポート | FOOTBALL NOTE